ごきげんよう。 あやメリーです。
離陸直後に機内が真っ白になった話、の続きです。
前回記事は
こちら。
火災でもなさそう。 急減圧でもなさそう。
しかし、外を見ると、地上スレスレのところを飛んでいます。
さすがに焦りました。
落ちるかも!さあ、どう動くべきか。
チーフCAの指示も特にない・・・。
前方にいるチーフの様子をCABINの後方から確認すると、
コクピットへ急行し、確認をしているようです。
そして、すぐに機長からアナウンス。
『機体の不具合かもしれないので、引き返します。』アナウンスは確かそれだけでした。とても短かったと思います。
そして、空港の上を一周、グワーンと旋回し、
低空飛行のまま、あっという間に千歳空港に着陸しました。
無事でした。けが人もパニックもなし。
離陸から着陸まで、およそ5~6分間の出来事です。
その短い間に、機長は管制官に対して
緊急事態を宣言していたので、
「緊急着陸」という位置づけになりました。
この時に分かりました。
実際の緊急時には、訓練で実践しているような
的確な指示を
もらえるとは限らない、ということを。
CAの保安業務には、”指揮順位” というものがあります。
もちろん機長が指揮順位1位であり、
その次に副操縦士⇒チーフCA⇒ という順に続きます。
例えば、機長が指揮を取れない状況になってしまったら、
指揮順位2位の副操縦士が指示を出し、あとの者はその指示に従う
という感じです。
この便の機長は、私も深く信頼するベテランのグレートキャプテンでしたが、
操縦に忙しく、CAに指示を出すことができなかったのだと思います。
そうなると、CAは自分たちで事態の状況を把握して動くしかありません。
新人だからと指示を待つだけではなく、
常日頃から指揮順位を意識しながらも
それぞれがリーダーシップを持つことが必要なのだ、と学びました。
もしも墜落して、乗務員の中で自分だけが生き残った場合は、
自分一人で判断して脱出誘導等を行わなければならない、ということです。
飛行機は無事にスムーズに着陸し、緊急脱出の必要もありませんでした。
キャプテンからは、丁寧なアナウンスが入りました。
窓の外をみると、
ものすごい数の消防車と救急車が待機していました。
それをみて、事の大きさを実感しました。
機内が真っ白になった理由は、
滑走路に撒かれていた凍結防止の液が
離陸滑走中にエンジンの中に吸い込まれ、
空調を通して機内に充満したことが原因でした。
(火災ではありませんでした)
翌日の北海道新聞には一面に掲載されました。
大事に至らなかったのが本当に幸いでしたが、
CAは保安要員なのだ、と改めて気を引き締めた一日でした。
長いCA生活で、 ”墜落するかも” と思った事は3回ほどです。
またそのうちにお話しさせていただきます。
長い文章を、最後まで読んで下さりありがとうございました!
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